山口・北九州研修旅行のお世話をして

著者: 山本 泰三 講演者:  /  講演日: 2008年09月29日 /  カテゴリ: 北九州エコタウン・山口  /  更新日時: 2011年03月03日

 

北九州・山口研修旅行報告   080929

 

今回の山口・北九州研修旅行のお世話をして      

山本 泰三  技術士(環境、総合技術監理)
キーワード   環境研究会、エコタウン、バイオ燃料、観光、北九州、

  

環境研究会での宿泊研修旅行は、3年振りである。
1回:豊島(香川県)、直島、小豆島の環境と観光
2回:愛知万博と中部国際空港、名古屋港、高速道路網の整備など地域の活性化探求
3回:山口・北九州の環境と観光

過去2回の研修旅行は大変充実したものであった。今回の北九州は環境首都として、また、わが国で最初のエコタウン事業を成功させた地域であり、ぜひ行って見たいところである。
しかしながら、新幹線で行くために費用が高くなるので、環境研究会で補助することを決め、多数の参加を期待して募集を始めた。ところが、秋は色々な催しが重なるのか参加者が増えず、結局
12名で実施した。結果はとても楽しい有意義なものになった。

旅の思い出を残し、環境研究会で報告するとともにインターネットで紹介・情報発信することとし、参加者各位にご協力をお願いした次第である。

1日目は観光で岩国コースとSLやまぐち号コースに分かれた

岩国コースでは、インターネットで地旅の会会長の杉本京子さんを知り、錦帯橋の木での模型作りに夢中になった。初めての試みとのことであったが、大変な準備作業、当日3名での製作サポートをして下さり、素晴らしい作品をほぼ完成できた。
    錦帯橋の模型は現在、我が家のリビングルームに飾っている。
そのあとボランティアガイドの手嶋郁子さんの丁寧なご案内で
2時間の錦帯橋、岩国城など心に残る旅となった。

SLやまぐち号コースは人気があり、1ヶ月前の募集で、1日過ぎただけであったが、こちらでは確保できず、JTBの八谷優課長に大きなご負担をかけて、あれこれときめ細かく対応していただき、切符の手配も実現できた。

関門海峡の臨める下関の温泉つきのホテルで懇親会を開いたが、カラオケなどにはならず、見学のこと、世の中のありようなどを夢中で議論し、有意義な時間を過ごせた。 

2日目は北九州である

北九州市はかっての公害の街から脱皮を図り、その過程で、産業界、市民と行政が力を合わせて取り組む土壌を育ててきた。現在では最も先進的な取り組みをしている地域として、全国で80以上の地域が参加する環境首都コンテストに連続して1位となった。さらに、今年は政府認定の環境モデル都市(大都市、中都市、小都市各2ヶ所、計6都市)に指定され、市長を筆頭に2050年をも視野に入れた取り組みを進めている。また、わが国で最初のエコタウン事業として、響灘に面した20kmの広大な埋立地を活用しての事業展開は有名である。まだ、未利用地が多く残されているが、大部分が民有地とのことである。行政の事業計画について、それぞれの担当係長からの説明と質疑があり、環境経済部の活動が意欲的に展開していることを実感できた。

見学先は、まずエコタウンセンターで、小学校4~5年生の社会研修の場として活用されている。ここで、20分のVTRの紹介があり、エコタウンの概要が理解できるとともに、環境問題について分かりやすい展示の工夫がされている。当日は、学校からの団体客はなく、ゆっくり見学出来た。 

次に新日鉄エンジニアリングさんがNEDOと共同で取り組んでいる食品残渣からバイオエタノールを精製し、ガソリンに3%混ぜるE3ガソリンの実証プラントの取り組み状況と現地の運転状況を視察した。食品残渣12トンから水分などを除き、でんぷんを発酵させて精製すると400㍑のエタノールができる。施設はガス化溶融炉で発電している北九州エコエナジー㈱のサイト内にあり、主力施設でできる電力や蒸気を活用しての施設であり、CO2削減に向けた息の長い取り組みである。 

最後にPCB処理施設の見学で、法に基づく全国5ヶ所の中で最初に完成した。住民等地域の合意を得るために100回以上の説明会を実施したこと、PCB搬送トラックにはGPSを設置し、これを監視し、情報を常に公開できる状況にしているなど、丁寧な説明と情報公開が必須であることを実感できた。また、見学後の質疑応答では広範囲な質問に対して、総務課長から丁寧に、的確にご説明を受けた。

帰りに時間が少しあったので、響灘に面して10基(1500kW/基)設置されている風力発電施設を見学し、記念撮影をして小倉駅に向かい、長い二日間の研修を終えて岐路についた。

これだけ密度の濃い見学ができたのも、技術士会の名前が役に立つこと、また、かなり高齢のプロフェッショナルな参加者が熱心に質疑することで、受入先各位にも喜んでいただけたと思う。

後記

折角の見学会をプロフェッショナルな技術者が調査・見学したのであるから、結果について各参加者がどのように問題を捉えたのか、その原稿を書いてもらうようお願いしたところ、広範なテーマでの論文が寄せられた。 

これをホームページTechnology」の「環境研究会」のカテゴリーで報告させていただくことにした。個別には了解を取ったわけではないが、情報を外部に発信することの重要性については共通の理解があると思われるので、掲載することとした。 

なお、小林廣技術士はPCBについてPDFで50ページ以上にわたる大論文のデータをお送りいただいたが、要約ができるのを待って、追加掲載したいと考えている。

今後、このような質の高いレポートをどんどん発表できるように、このホームページを育てて行きたいと願っている。

 今回の研修旅行の半月後にエコアクション21(EA21)の全国大会が熊本で開催された。今年7月に環境モデル都市(中小都市部門)として水俣市が選ばれたのであるが、このチャンスを利用して、現地はどのような状況かについて、レンタカーを借りて調査に行ってきた。水俣は熊本県の最南端で鹿児島県に隣接している小都市である。

 大変興味深いことが多かったが、この内容については、別途ホームページで報告したい。

以上

この研修旅行の発表会を後日持ちましたので、参照願います。


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