エコ車検・エコ整備で省エネのお薦め
自動車のエコ整備・エコ車検で省エネのお薦め
省エネ対策の推進により、CO2削減の努力が求められています。とくに自動車については、燃費のよい車への移行が期待されていますが、車の寿命を平均10年とすると、車での省エネ改善・達成はかなり困難になります。
1. 省エネ対策の重要性
最もエネルギーをよく使う産業用分野については、1970年代から省エネ努力を続け、乾いたタオルを絞るようなものとの例えもありますが、インドネシアのバリ島で2007年12月に開催されたCOP13では、2020年には1990年レベルより25~40%の省エネ目標が議論されました。
省エネ法では、対象のエネルギー多消費事業者は原則として毎年1%以上の省エネを実現するように計画、実施、報告が義務付けられていますが、今後さらなる対策が求められることになります。
2.自動車の省エネメニューは
自動車はガソリン、軽油など石油燃料が基本です。これを少しでも減らそうと、バイオ燃料を混合させる取組みが始まりましたが、とうもろこしなどの穀物を原料とするので、食料自給率40%のわが国ではとくに難しいテーマです。また、ガソリン燃料中に3%とか10%の混合を考えているので、CO2削減に寄与するとしても、限界があります。
3.自動車のエコ車検・エコ整備とは
自動車の車検などの整備時に、エンジンを分解せずに洗浄することで10%以上の省エネが可能になります。自動車を長期間使用すると、エンジン内部が汚れ、このために出力が落ち、COなどの不完全燃焼成分が発生し、燃費もよくありません。(関連記事:守屋雅夫氏の講演内容参照)
自動車の車検時等でのエコ整備により性能を回復するので、全国の指定自動車整備業を中心に、技術の習得、設備の整備が始まっています。取組み企業は、地域ごとに勉強会を開催し、エコアクション21(EA21)の取得を目指し、協働して省エネの推進と事業体質の強化を図っています。
4.エコ整備で驚くほど(約15%)の省エネ、燃料費の改善を実感
私は、今年エコ車検・エコ整備を推進する事業者10数社のEA21認証取得の審査を経験しました。11月の高知での審査時は、車で行き、陽和自動車㈱さんでエコ洗浄とタイヤへの窒素充填のエコ整備をしてもらいました。車はヴィッツの1300ccマニュアル車で、燃費がよいことでも人気があります。走行65000kmで今まで、エンジン関連の特別な整備はしていませんでした。高知市内でレギュラーガソリンを満タンにして整備を依頼、整備結果は4ガステスターでCO:0%(規制値1.2%)、O2:0%、HC:0%、CO2は15.62%と完全燃焼していることを確認できました。
●翌日、四万十川の源流地である㈱西部さんの審査を終えて、次の日は高知県のお寺を10カ寺周り、室戸岬を経由し、鳴門大橋、明石海峡大橋を通って神戸に帰って来ました。ガソリンメータが壊れたのかと思うほど燃費が伸び、その後、神戸市内での走行やドライブを含め1500kmの走行で平均17.5km/㍑という高性能に回復しました。(従来は15~16.5km/㍑)
●現在の車検基準ではCOが1.2%以内であり、ほとんどの車がパスしますし、燃費の改善に繋がりません。エコ整備のメニューは6つあり、その中の2つを実行してもらいました。
技術指導されている守屋さんの資料では、22台の実測データで10%以上の省エネが図れるとありましたが、自分で体験して初めて納得できました。
エコ整備の費用は1万円強でしたが、ガソリン代の高等、大気汚染物質の減少とあわせ考えると、これをぜひ普及させたいものです。