例会講演:地球温暖化、国内排出量取引、動画によるレポート開発
【環境研究会総会・例会報告】 090518
日 時:平成21年5月18日(月)
発表-1
テーマ:地球温暖化懐疑論とその役割―真実を求めての戦い
石塚幹剛氏 技術士(建設)
地球温暖化問題に対して懐疑論が多く出されている。これらは一見面白そうに見えるが、根拠があいまいであったりして、中途半端なものが多い。
懐疑論の論点は,①温暖化人為説について、②気候変動予測モデル・データについて、③緩和技術について、④科学者の姿勢についてなどで、豊富なデータを細かく分析してパワーポイントで紹介しながら温暖化問題に真剣に取り組む必要があることを示唆する発表は説得力のあるものであった。
発表-2
テーマ 国内排出量取引制度の概要
浜木 知都氏 技術士補(環境)
CO2排出抑制のために、国内ではすでに試行的な取組みが始まっている。また、経済界は自主行動計画を策定し、これに基づいた取組みを進めている。氏は省エネ診断などの業務を通じて排出権取引制度に係わる審査業務などを目指されている。
国は2020年度の目標を設定し、これの実現に向けて必要性はあるものの制度的な取組みは、まだ課題も多くあることが感じられた。
発表-3
テーマ 環境研究会報告の動画によるレポートの作成・開発について
境本 敦史氏 近畿大学理工学部情報工学研究科
ITが普及していく中で、環境研究会、特別講演会などの発表内容を音声と映像とパワーポイントなどのデータを同時的に作成し、新しい情報ツールとして開発している。新しいビジネスモデルとして仕上げていくことをめざして、近畿大学の森山真光准教授の基で研究・開発などの実践的な取組みを進めている。その実際について動画を使い説明されたもので、氏が目指しているベンチャービジネスが、今回の発表経験が、今後に向けて示唆を与えるものになったと考えられる。
コメント
環境研究会は外部の有識者をお迎えして、特別講演会の実施を中心として進めてきた。その結果会員数は100名にも広がり、毎回有意義な場として定着して来ている。
一方で環境問題は間口が広く、多くの技術分野の会員が参加している。会員の発表の場を作り、技術士のネットワーク作りにも貢献できるような取組みも必要で有効と考えられるので、今後も具体化を検討する必要があり、当会の幹事会でも議論し、方向付けをしていきたい。
(文責 山本泰三)