廃棄物有効利用施設見学会 (株式会社ダイセキ 関西事業所)
著者: 福原 智博 講演者: 笹山 孝治 / 講演日: 2009年06月22日 / カテゴリ: 見学会 / 更新日時: 2011年01月16日
【環境研究会「2社の見学会」報告】-1 090622
日 時:平成21年6月22日(月)
場 所:株式会社ダイセキ 関西事業所
Ⅰ.株式会社ダイセキ 関西事業所
株式会社ダイセキ 関西事業所 笹山 孝治参与
1.はじめに
近年、循環型社会の構築を進めるために、廃棄物の有効利用の促進が進められている。今回は、廃棄物の有効利用で急成長している株式会社ダイセキの関西事業所を見学した。
2.株式会社ダイセキの概要
名古屋市において、廃棄物処理業の認可を取得し、新日鉄の圧延廃油の処理から廃棄物処理事業を開始した。現在、全国に6事業所を展開し、廃棄物処理量は、90万トン/年(3千トン/日)である。
3.関西事業所の特徴
(1)相互補完処理システム
水処理を中心に効率的な運用を行っている。「水処理」「汚泥固化」「エマルション燃料」「再生重油」の主に4カテゴリーから成るが、汚泥固化処理から排出される分離水を、水処理に使用したり、水処理から排出される分離油をエマルション燃料処理に使用するなど、関西事業所全体で効率的な運用を行っている。
(2)高濃度フッ化水素酸処理
ダイセキの中でも関西事業所の独自処理技術である。現在、マテリアルリサイクルまで検討を行っている。今回は、ノウハウということで見学は不可であった。(*)特許に、「フッ酸含有廃液の処理方法(特許4212579)」として登録されており、本特許の技術と推測される。独自の振動型攪拌混合装置により、短時間で処理が可能とのことである。
(3)関西事業所の方針
①一人当たりの生産性向上(ラインを増やさない)、②新規技術、③柔軟性(スポット廃液対応)
4.工場見学
(1)分析センター(外から建物のみ見学)
タンクローリーで搬入された廃棄物が、契約通りのものかどうか分析、チェックを行う。
(2)水処理工場
油水分離した後、薬液によりスラッジを沈殿させ、フィルタープレスで脱水を行い、脱水ケーキ(水分50%以下)を排出する。排出物は乾燥後セメント原料としてリサイクルされる。隣がアサヒ飲料ということもあり臭気対策は十分行われている。
(3)固形化リサイクル工場
脱水、乾燥などを経てセメント原料などへリサイクルされる。
(4)リサイクル燃料化工場
溶剤による液状化、洗浄水による洗浄、油水分離による油分回収を経て、セメント焼成用補助燃料としてリサイクルされる。
(5)重油再生工場
廃油を収集し、再生重油に加工することで、廃油のリサイクルを行っている。
Q&A
Q:リサイクル率68%ということだが、その他の処理方法は?
A:埋め立てされる。(大阪湾)
Q:エコアクション21の導入予定は?
A:メーカーにいたときはISO14001が過剰に思えたが、環境ビジネスとしては広告材料。
文責 福原智博