海中構造物の防汚技術の現状
講演会(2006年2月)報告
日 時:2006年2月10日(金) 18:30~21:00
場 所:大阪科学技術センタービル602号室
講 師: 平井 靖男技術士(金属部門)
海中構造物の防汚技術の現状
講師は、大手造船会社で、塗料・接着剤・断熱材などの化学関連材料および船舶・陸上構造物の防錆、防食等についての研究に永年携わられた。
今回のご講演では、まず、防汚技術の意味とその必要性について概説された。海洋生物の海中構造物への付着による様々な損害とグローバル化による被害の拡大について説明された。また、汚損生物の種類と生活史、付着の形態、接着力のデータ等について、写真と図により詳しく述べられた。
防汚対策には、物理化学的方法と生物学的方法がある。
物理化学的方法は、歴史的には19世紀半ばに亜酸化銅を用いたのが始まりであり、現在も使用されている。1960年代に開発されたスズ系化合物は非常に効果があるが、環境汚染の問題から国際条約により2008年に使用禁止となる。
生物付着性は塗膜に弾性や撥水性を付与すること等で防止でき、各種の化学材料が考案され実用化されつつあるが、価格的には高い。
生物学的方法には、天敵の利用、忌避物質の活用などが検討されている。天然忌避活性物質を探索し、その化学構造を調べ、化学合成する試みもされている。
Q&Aでは、付着生物の栄養源、防汚と防食との違い、スズ系からの代替品について議論された。