海中構造物の防汚技術の現状

著者: 三木茂男 講演者: 平井康男  /  講演日: 2006年02月10日 /  カテゴリ: 講演会  /  更新日時: 2011年03月17日

  
講演会(2006年2月)報告

日 時:2006年2月10日() 18:3021:00
場 所:大阪科学技術センタービル602号室
講 師: 平井 靖男技術士(金属部門)

海中構造物の防汚技術の現状

講師は、大手造船会社で、塗料・接着剤・断熱材などの化学関連材料および船舶・陸上構造物の防錆、防食等についての研究に永年携わられた。
今回のご講演では、まず、防汚技術の意味とその必要性について概説された。海洋生物の海中構造物への付着による様々な損害とグローバル化による被害の拡大について説明された。また、汚損生物の種類と生活史、付着の形態、接着力のデータ等について、写真と図により詳しく述べられた。

防汚対策には、物理化学的方法と生物学的方法がある。

物理化学的方法は、歴史的には19世紀半ばに亜酸化銅を用いたのが始まりであり、現在も使用されている。1960年代に開発されたスズ系化合物は非常に効果があるが、環境汚染の問題から国際条約により2008年に使用禁止となる。
生物付着性は塗膜に弾性や撥水性を付与すること等で防止でき、各種の化学材料が考案され実用化されつつあるが、価格的には高い。
生物学的方法には、天敵の利用、忌避物質の活用などが検討されている。天然忌避活性物質を探索し、その化学構造を調べ、化学合成する試みもされている。

Q&Aでは、付着生物の栄養源、防汚と防食との違い、スズ系からの代替品について議論された。


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