人口問題から日本の科学技術の行方を探る
講演会(2006年5月)報告
日 時:2006年5月12日(金) 18:30~21:00
場 所:大阪科学技術センタービル601号室
講 師:加藤 薫 技術士(農業部門)
人口問題から日本の科学技術の行方を探る
講師は、製菓、製薬会社および機器メーカーで、新食品、新医薬および冷凍技術等の開発に携わられた後、現在は食品技術の分野において技術士として内外で活躍され、また日本技術士会では長期間に亘って諸活動に参画されている。
本講演では、人口問題をひとつの切り口として、目先のことではなく、五十年ないし百年のスパンでものを考えるという観点から話をされた。
まず、世界人口の推移と見通しについて図を用いて説明され、2050年には93億に達する予想があることを述べられた。次に、世界人口の急増により人間社会に発生した問題が、資源、エネルギー、環境、食糧に集約されることを述べられた。
日本人口の推移と見通しでは、今後人口の減少傾向が継続し、21世紀末には5千万まで急激に減少するとの予測値が発表されている。日本での人口推移と社会に発生した問題としては、20世紀前半では太平洋戦争であり、戦後は科学技術の発展とそれに伴う産業の振興、資源および環境問題であった。
まとめとして、人口減少国日本の文化と科学技術の行方について、技術士としては長期的視野から技術の大転換を議論すべき時期に来ているのではないかと述べられた。
Q&Aでは、日本での人口減少の原因、他国の状況、食糧増産等が議論された。