分散型エネルギーの時代到来
著者: 苅谷 英明 講演者: 末利 銕意 / 講演日: 2011年09月26日 / カテゴリ: 講演会 / 更新日時: 2012年08月18日
【環境研究会 会員発表会】 110926
日 時:平成23年9月26日(月)18:30~20:45
場 所:アーバネックス備後町ビル3階ホール
講演2:分散型エネルギーの時代到来
講師:末利 銕意氏 株式会社テス・リサーチ 技術士(総合技術監理、化学)
1)日本の省エネルギー政策
日本のCO2排出量(2002年データ)は、世界の4.9%と4位であり、1人当たりの排出量で見ると8位である。ただ、CO2排出量、エネルギー消費量を対GDPで見ると、圧倒的に優位な結果である。このことから、「日本は効率良く生産している」と言える。
日本の省エネルギー関連法の歴史は、オイルショックを受けて1979年に省エネ法が施行されて、対象が大規模な工場のみであったが、中規模工場、オフィスなどに拡大している。
2)ガス・コージェネレーションの概要
ガス・コージェネレーションシステムとは、ガスを燃焼し電気を発電すると同時に、熱を利用するシステムであり、従来の発電システムよりもエネルギーこう効率的に使用可能である。
現在、コージェネレーションの種類には、①ガスエンジン、②ガスタービン、③燃料電池がある。燃料電池にも数種類の方法が開発されており、発電容量が小さく発電効率が高いシステム「エネファーム」が開発・販売されている。
3)コージェネレーション事例
コージェネレーションシステムは、企業・病院等で採用されている。新しいものとして、バイオガスを燃料としたシステムも利用されている。
家庭では、燃料電池として普及しつつあり、2011年度には、交付金の影響もあり普及台数も伸びている。
また、近年では、発電効率が45~65%にもなるタイプ(個体電解質形(SOFC))が開発されており、商品化直前まできている。
4)スマートエネルギーシステムへ
特定なエリアにおいて、電気や熱が発生部と消費部で繋がり、制御管理システムで発生と消費を管理する。この特定なエリアが複数集まり広域エリアを形成し、制御管理システムにより電気や熱を融通しあうシステムが世界各国で実用化に向け検討されている。
質疑応答
Q:ESCO事業の普及について
A:最近では、あまり普及していないように思われる。
Q:コージェネの普及の課題について
A:廃熱を利用することで、高効率システムを実現するが、廃熱を利用しない場合はメリットが小さい。
コメント
環境研究会は100名以上の会員で、技術分野も経験も多様である。今後も会員発表の場を増やし相互交流、ネットワークの拡大を図っていく。会員各位の参画を期待している。
(作成 苅谷英明)