東北研修旅行報告会-1
著者: 苅谷 英明、山本 泰三 講演者: 外山 榛一、石塚 幹剛、深田 晃二、掛田 健二 / 講演日: 2012年04月21日 / カテゴリ: 講演会 / 更新日時: 2012年10月12日
【環境研究会 平成24年4月度 例会 講演会 (近畿本部と共催)】
日 時:平成24年4月21日(土)14:00~17:00
場 所:アーバネックス備後町ビル3階ホール
講演 : 東北研修旅行報告会-1
3月20日~21日に東北(宮城県)への研修旅行を実施した。
参加者25名全員が感想・報告を作成し、環境研究会のHP「PE-eco」に掲載している。
今回は、第1回の報告会として、公式訪問等の結果を4名から発表していただいた。
1)東北電力女川原子力発電所の対応と経緯(講演報告)
発表者 外山 榛一 技術士(機械、総合技術監理)
環境研究会で昨年5月に開催したシンポジウムと技術士会東北本部のご尽力を得て、東北電力株式会社火力原子力本部 原子力技術訓練センターの古舘淳光所長からご講演頂いた。地震の強度と建屋、送電系統などの損傷状況、津波被害などの状況と対策について詳細に報告があった。
東京電力福島第一原子力発電所との一番大きな違いは、建設計画時に869年の貞観地震を考慮して、立地高さを14.8m(震災時に1m沈下)とし、津波の直撃を免れたことである。また、データをできるだけ公開して社会からの信頼を得たいとの真摯な気持が伝わってきた。今井寿子技術士(電気・電子)及び田岡直規技術士(機械、総合技術監理)からも報告がある。
2)女川町の状況(被災と復興計画)
発表者 石塚 幹剛 技術士(建設)
女川町は原発が立地している人口約1万人の町である。津波被害で900名、人口の9.1%が死亡または行方不明と最も被害の大きい地域の一つである。技術士会東北本部の岩渕善弘技術士に現地の被害状況、仮設住宅の建設、復興計画を含めご案内頂いた。
3)石巻の現状と復興のカギ
発表者 深田 晃二 技術士(衛生工学)
石巻市は仙台市の東に位置し、人口16万人、死者・行方不明者3,700人と大きな被害があった。深田氏はボランティアを含め現地へは3回目とのことである。現地の状況は吉川謙造東北本部長、中里俊之技術士(応用理学部門)、斉藤明技術士のご案内で8名が現地の状況と復興計画を調査した。
4)多賀城市研修記録(多賀城市役所による震災状況説明)
発表者 掛田 健二 技術士(衛生工学)
多賀城市は8世紀に国府が置かれたところで、仙台市の東に隣接している。
津波の状況、復興対策など市役所の責任者からビデオと丁寧な説明、質疑を行った。がれきの処理は、個別につながりを頼って山形県米沢市に受け入れてもらうなど、的確な対応が印象的であった。復興対策も多くの地域で採用を検討している高台移転ではなく、現地で復興対策を推進するなど、参考になることが多かった。
(作成 苅谷英明、山本泰三)