エネルギー情勢とコージェネ & 計画設計
著者:
河島 巌 /
講演者:
三浦 浩明 /
講演日:
2019年3月9日 /
カテゴリ:
環境研究会 > 講演会 /
更新日時:
2019年03月28日
環境研究会・機械システム部会 合同講演会要旨
日 時;2019年3月9日(土) 13時30分~17時00分
場 所;大阪市 アーバネックス備後町ビル3階ホール
講演2「エネルギー情勢とコージェネ & 計画設計」
講師 三浦 浩明 技術士(機械部門)
2015年12月パリ協定が採択され、世界は温暖化ガス削減目標を念頭にエネルギー政策を模索している。世界の人口やGDPの推移、石油・石炭・天然ガスなどの世界の一次エネルギー消費量の推移を背景にCO2排出量推移と気温上昇の関係を紹介した。また、代表的な国の電力構成と電力起源のCO2の削減状況と欧州各国の電力の取引状況を紹介し、それらを踏まえて主要国の温暖化ガス削減目標、主な戦略とシナリオを解説した。
一方、国内についても一次エネルギーの供給の推移をもとに化石エネルギーの割合の高さ、京都議定書の達成状況、温暖化ガス排出状況などを統計データなどで紹介し、日本の温暖化対策ランクが49位であり5段階評価で最低グループに入っていることを指摘した。また国内の電力・ガス自由化により急速に進む業界のアライアンスの方向性、都市ガス新規参入の動向などを紹介した。さらに、九州電力を例に再生可能エネルギーの状況を踏まえたうえで、電力自由化を論じた。
講師は、コージェネレーションプラントの設計にも携わり、その計画設計に関して詳細に説明された。コージェネレーションシステムは、主機の特性の違いを理解したうえで選定し、負荷データやランニングコスト等を勘案したうえで投資評価を行い計画される。プロセスフロー図、配置図、電気系統図等で綿密に計画され、工程表をもとに建設される。特に、関係法令順守、届け出関連の重要性と、騒音、振動、大気汚染、危険物取扱い等への対応を力説された。また、脱炭素化に向けたイノベーション案にも言及し、コージェネへの期待・役割について考えた。
文責 河島 巌