地球環境産業技術研究機構(RITE)の概要
化学部会 見学・講演会(2019年10月度)報告
日 時 : 2019年10月9 日(水) 13:30~16:00
場 所 : 公益財団法人 地球環境産業技術研究機構(RITE) 京都本部
講演1 RITEの概要
講演者 : 川口 圭史 博士(工学) 企画調査グループ サブリーダー
1.地球再生計画とRITEの役割
本機構(Research Institute
of Innovative Technology
for the Earth)は、1990年のヒューストンサミットでの日本の提唱「産業革命以降の200年間に様々な負荷をかけて変化させた地球環境を、今後100年間かけて再生させよう」を受け、地球再生計画を具体化するための中枢機関として、同年設立された財団である。本部はここ(京都府木津川市)であり、東京事務所がある。
研究の方向性は、「革新的な環境技術の開発」「二酸化炭素吸収源の拡大」であり、具体的には5つのグループ(①システム研究、②バイオ研究、③化学研究、④CO2貯留研究、⑤無機膜研究)に分かれて研究し、情報の発信にも努めている。
① システム研究では、温暖化対策シナリオを策定しIPCCのシナリオ分析にも貢献している。参考として図1にCO2デカップリングの例を示す。
図1 デカップリングに関する分析例
②バイオ研究では、非可食バイオマスを原料とし、高生産性細菌(発酵阻害物質耐性を強化した細菌)を利用してバイオ燃料やグリーン化学品生産を研究している。
③化学研究では、各種排出源からのCO2だけを分離回収(化学吸収、膜分離、固体吸収)する技術を研究している。
④CO2貯留研究では、分離回収したCO2を貯留する技術(地層、圧入と管理)を研究している。
⑤無機膜研究は、次の講演で詳述する。
質疑
も講演終了後、活発な意見交換が行われたが詳細は省略する。
文責 藤橋雅尚 監修 川口 圭史