大阪府エコタウン 見学会報告
著者: 南側 晃一 講演者: 中川 美夫、大川 裕介、八木 達也、北垣 剛 / 講演日: 2006年10月30日 / カテゴリ: 見学会 / 更新日時: 2010年10月21日
環境研究会 見学会報告 061130
日 時 平成18年11月30日(木)
キーワード エコタウン、廃棄物リサイクル、再資源化、亜臨界水
見学場所 大阪府エコタウン
混合廃棄物リサイクリングアソートセンター事業
亜臨界水反応による廃棄物再資源化事業
1.概 要
大阪府が推進している「エコタウン」の見学会を開催。「大阪府エコタウンプラン」は、豊かな環境都市大阪の創造を目指して、大阪産業の再生に向けた環境関連産業の育成の観点にも配慮しながら、府域における廃棄物処理、リサイクル施設の整備をはじめとした各種事業を推進するため平成17年7月に策定された。その特徴は次のとおりである。
①臨海部の遊休地を活用した新技術・新システムを導入したリサイクル施設の立地
②中小企業から排出される有害廃棄物のリサイクル施設の立地
③地球温暖化対策にも貢献するリサイクル施設の立地
④自然再生の取組みとの連携により、廃棄物最終処分場跡地を循環型社会形成のモデル地区として再生
堺市臨海部 泉北7-3区では、次の事業が進められている。
①亜臨界水反応を利用した廃棄物再資源化事業
②混合廃棄物リサイクリングアソートセンター事業
③廃木材等によるバイオマスエタノール製造事業
④食品系・木質系廃棄物総合リサイクル事業
⑤食品残渣の飼肥料化・廃プラ等原燃料化事業
今回はこれら5つの事業の内、現在稼動が開始されている「①亜臨界水反応」と「②混合廃棄物リサイクル」の2箇所を見学させて頂いた。
2.報 告
午後1時30分、南海本線「石津川駅」に集合してタクシーにて「エコタウン」へ。約20分で現地に到着。株式会社RAC関西の会議室で、エコタウンプラン等についての説明会があった。説明の分担は次のとおりである。
・ まず始めに、見学会全体をコーディネートしてくださった中間法人堺臨海エコファクトリーズ協議会事務局長の中川美夫様から見学会の行程について説明
・ 続いて、大阪府環境農林水産部循環型社会推進室資源循環課環境産業技術グループの大川裕介様より「大阪府エコタウンプラン」の全体構想についての説明
・ 株式会社RAC関西の八木達也様より「混合廃棄物リサイクリングアソートセンター事業」に関する概要説明
・ 最後に近畿環境興産株式会社の北垣剛様より「亜臨界水反応を利用した廃棄物再資源化事業」についての説明
質疑応答の後、各施設の見学会が行なわれ、現地での活発な意見交換が行われた。
(1)亜臨界水反応を利用した廃棄物再資源化事業
亜臨界水反応を利用した廃棄物再資源化技術は、大阪府立大学の吉田弘之教授が21世紀COEプログラムとして研究開発されたもので、水を高温高圧に高めた亜臨界水の持つ極めて高い分解力・溶解力を利用することにより様々な廃棄物をリサイクルする事が可能である。
当プラントはこの研究成果を実用化したもので、亜臨界水を利用して有機塩素系廃溶剤等を脱塩素化し、アルコール、有機酸、塩化ナトリウム、低級燃料油などを製造するほか、製造したメタノールと動植物性油脂製造時に発生する精製残渣等から、バイオディーゼル燃料を製造する。
なお当事業は、ゴミゼロ型地域社会形成推進施設整備補助金(エコタウン補助金)の交付を受けて建設されている。
(2)混合廃棄物リサイクリングアソートセンター事業
建設・解体系や工場系の混合廃棄物を受け入れ、ヤード選別、手選別、破砕、機械選別、圧縮・梱包、成形等の工程を経て、製紙、製鉄、非鉄精錬、再生プラスチック、再生ガラス、再生砂等のリサイクル原料及び固形燃料等のリサイクル燃料・原料を製造し、供給する。
(南側晃一 記)