EA21の普及方策とコンサルティングビジネス創出

著者: 高橋 健夫 講演者: 山本 泰三  /  講演日: 2006年07月11日 /  カテゴリ: 講演会  /  更新日時: 2012年08月17日

 

環境研究会7月度例会報告    060711

日 時平成1811日(

 

テーマ:エコアクション21(EA21)の普及方策と、コンサルティングビジネスの創出の取り組み

講 師:山本泰三氏 ㈱エコ・サポート代表取締役、技術士(環境、総合技術監理)、エコアクション21審査人ひょうごの会会長、当環境研究会幹事。

●プロフィール:1941年生まれ。1964年大阪ガスに入社後、1989年環境部で環境対策、企画、調整を担当。2000年に独立し、㈱エコ・サポートを設立・開業。

1.はじめに ISO14001EA21

ISO14001は通商産業省が1996年に制定し、2004年に改訂。一方、環境庁も1994年に中小企業にも普及させるプログラムの作成を開始し、1996年完成。その後、改訂を積み重ね、2005年にEA21が制定。
日本ではISO9001は5万件(世界の7%)、ISO14001は2万件(同20%)が普及。自治体ではISO14001を率先して構築したが、本当に役立っているかが疑問。大阪府は大々的にPRして取り組んだが、紙、ゴミ、電気が中心。どれだけ発展したのかが見えてこない。兵庫県や京都府は更新をやめた。兵庫県加西市では更新せずに自己宣言(ISO14001の審査人が審査)。

2.エコアクション21(EA21)

①制度:1996年からの制度は崩壊。2005年に認証・登録制度がスタート。2年間で576人が審査人登録、今年中に700人程度になる見込み。ビジネスモデルの創出のチャンス。

②普及状況:850件(2006年7月現在)。大阪府の約90件に対して、兵庫県では20件。

③地域事務局:審査の受け皿で、全国で35局あり、その内近畿が7局。自治体及び企業イニシアティブプログラムの運営による本部事務局との連携で普及対策を行う。

④審査人とは?:主業務はコンサルと審査。

3.EA21の特徴、優位性

ISO14001との比較では、①システムの構築・維持に必要な費用が1/31/10、②必要な労力が1/21/5、③システムの有効性は同等、④審査時に審査人から有効な助言が得られる。また、ISO14001ほど環境への取組みは厳密には要求されず、パフォーマンスのチェックをして、5~6ページ位の環境活動レポートの作成と公表を行う(情報開示のシステム)。必須の取組み項目はCOの排出量、廃棄物、水の使用量の3項目。

4.EA21審査人ひょうごの会

2005年8月に設立、会員数30人。事務所は神戸市東灘区内。普及に向けた主体的な活動として、会で個別コンサル業務を提案し契約。集合研修と個別コンサルは普及支援の両輪。個別コンサルプログラムは、①費用:標準的な規模で6回30万円、②しっかりしたコンサル実施のため会の中で経験者によるレベルアップ支援等、③有効性の事例:吹田の集合研修では15社中5社が大阪府の助成制度による個別コンサルを活用、④個別コンサルのPR、セミナーの開催(8月~)。

●質疑応答、意見交換

Q:EA21審査人ひょうごの会の入会について

⇒ 会員2人の推薦が必要。大阪、滋賀と連携して、底上げしていきたい。

Q:中小企業向けのISO制度について?

EMSを段階的に進めるシステムの規格(ISO14005-段階的EMS実施ガイド)が制定される。発行は2009年2月の予定。内容は、EMS実施のために6段階あり、それぞれ5~7stageが定められており、段階ごとに審査がある。最後は、ISO14001の認証、EMASの登録につながる。

 

その他、EA21ISO14001の審査人登録の方法、EA21の必須性、COの排出量削減のサポートシステムとしての有効性等に関する質疑応答があり、盛会裡に終了した。

  (高橋 健夫 記)


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