多様化する中小企業ネットワーク

著者: 三木茂男 講演者: 湖中 齊 大阪商大教授  /  講演日: 2006年01月13日 /  カテゴリ: 講演会  /  更新日時: 2011年03月16日

  

2006年1月研究会報告

日 時:2006113日() 18:3021:00
場 所:大阪科学技術センタービル601号室
講 師:大阪商業大学総合経営学部  湖中 齊 教授

 

多様化する中小企業ネットワーク

講師は、東大阪商工会議所専務理事、同所中小企業交流センターを歴任され、大学では、現場実務に精通された中小企業論をご専門とされている。また、中小企業活性化で全国的に有名なクリエイション・コア東大阪のゼネラルマネージャーとして先頭に立ちご活躍である。

本講演では、まず、ネットワークの意味、連携の形態とくに縦型(系列)から横型への変化について説明された。次に東大阪での連携の歴史的経緯を示された。

異業種交流は、テーマが明確で、技術目標が絞り込まれており、熱意のあるリーダーの元に関心のあるメンバーが集まった時に成果が上がる。また、産学連携は、技術目標に合致した専門分野の研究者との出会いと産学間の真摯なコミュニケーションが重要である。
中小企業連携における新製品開発は、業際間に開発のヒントがあり、連携による成功事例として、廃プラの利用の例、特殊油圧機器の例、防錆ねじの例を紹介された。

東大阪の特徴として、中小企業が集積し、競争・ 多様性・専門性をそなえ、大学との連携が容易なことを挙げられた。課題としては、試作ネットと組み立てノウハウの確保が重要である。アイデア商品はすぐさまコピーされる。川下商品は出尽くした感があるので、川上へ遡り新材料を開発する必要がある。また、モノづくり偏重ではなくマーケティングを並行して行うことが重要であること(技術経営の重視)を強調された。 

Q&Aでは、中小企業の後継者問題、産学連携の課題点等が議論された。
ご講演内容に関連する書籍として、講師編著「多様化する中小企業ネットワーク―事業連携と地域産業の再生」(ナカニシヤ出版、2005年)を紹介しておきたい。また、クリエイション・コア東大阪に是非行かれることを各位にお奨めする。

最後になりましたが、湖中先生にはご多忙の中、当研究部会でのご講演を賜り、誠にありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。


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