多賀城市研修記録(多賀城市役所による震災状況説明)

著者: 掛田 健二 講演者:  /  カテゴリ: 東北地区  /  更新日時: 2012年05月07日

 

環境研究会 東北研修旅行 参加者報告

日  時:平成24321
場  所:宮城県多賀城市
説明者:多賀城市消防防災課 松戸幸二 主幹、大内裕太 主事

多賀城市研修記録(多賀城市役所による震災状況説明)

掛田健二  技術士(衛生工学部門)

 

1.入手資料

(1)多賀城市における東日本大震災の被害状況概要(平成24316日現在)

(2)DVD記録 : 平成23311

2.多賀城市の概要と地震・津波の経験

(1)仙台市の北に隣接、人口約6万人

(2)貞観地震は15万人中1000人死亡。チリ津波と宮城県沖地震は、多賀城市被害無し。
多賀城市の小中高校の耐震工事は2月までに全て終了。学童の怪我・死傷者はゼロ。

(3)2市3町12万人の行政広域組合。ごみ処理広域組合は塩釜市を除く1市3町。

3.東日本大震災の地震・津波の概要

(1)発生:平成233111446から約3分間。マグニチュード9.0

(2)市内震度M5強:31114:46:5114:47:504723:32:59
地盤沈下 : 最大1m、市内平均0.5--0.6m(国土地理院データ)。液状化現象。
津波高さ  : 仙台港 約7m、市内 約4.6m。隣接の七里ヶ浜町 約11m。
        地震の約1時間後に津波が南に隣接する仙台市から来襲。
浸水面積 : 約662ha、市内の約33.7%、砂押川南側がほとんど浸水。

(3)コンビナート火災:3/11--3/15。JX日石コンビナートの配管部分の漏洩油に引火。コンビナート周辺2km範囲に避難を呼びかけ。強制避難指示は不可。コンビナート内消防隊車両は津波で流され使用不可、近隣消防も機能不全、石油貯蔵タンクへの延焼防止を主目的に自然鎮火さす。
JXの今後の対策は、コンビナートの防音壁を強化しTP4mに統一し、防潮堤の機能を持たす。防音壁上部を整備し、所有車の避難所にする。

(4)地震による横ズレ・沈下が発生し、境界線・基準点が動く。平成24年度に土地調査

4.多賀城市の被害状況

1)人的被害(平成24316日現在)

市内死亡者             : 188人(男112、女76。 市民97、市民外91(車両に閉込められた人等
多賀城市民死亡者 : 147人(男86、女61)、行方不明者:1人(男1

2)住宅被害(平成24315日現在):単位 世帯

3)災害ごみ関係(平成24315日現在)

1)がれきは、山形県米沢市好意で受け入れていただいたたため、他市とは異なり処分が進んだ。
当初6ヶ月は県の指示待ちだったが無回答のため、各地に受入を問合せたが、他に受入地無し。

2)がれきトンパックに袋詰で、現在1箇所に仮置中。自然発火3回。

4)避難状況(930日避難所閉鎖)

1)震災直後の早い時期から、陸上自衛隊多賀城駐屯地が作業。地震1時間後の津波で自衛隊駐屯地も壊滅。その後は全国の自衛隊から派遣。6月末で自衛隊作業終了。

2)津波が引いた後に主要道路上に自動車・コンテナ・樹木類が堆積し、救援車両が通行不可。これらを撤去する重機の到着も阻害。市指定の避難箇所は12箇所。実際の避難は集会所や寺が機能負担。410日に新学期を迎えたために、避難所を統合整理。

3)被災当初は市職員・応援自治体職員は被災者の現地支援に注力のため、市本来の行政支援ができず混乱。現地支援は応援自治体職員主体、市職員は行政支援を主体に変更。

5.震災復興にむけて

1)災害ボランティアセンターの状況(社会福祉協議会。金・土曜日のみ受付)
稼動延べ人数 : 19,412人。
稼動延べ件数 : 2,542

2)仮設住宅など(平成24316日現在)
1)仮設住宅完成戸数(入居戸数) : 373373)戸
2)民間賃貸住宅申込み戸数         : 1,438件(内入居決定者:1,404件)
3)住宅の応急修理申込み戸数     : 2,025件(内修理完了:1,400件)

3)人的・物的支援(平成24315日現在)
1)人的支援 他自治体等による支援 : 約15,900
2)物的支援 団体 : 約1,420団体、  個人 : 約640人。その他

4)復旧費用:

1)政府の第次から3次の補正予算で、道路・堤防・防災施設整備。

2)復興基金:多賀城市11億円。国から平成23年度に数百億円。平成2426年に国から数十から数百億円。平成23921日の台風による大雨で水害発生。地盤沈下と合流式下水道復旧が不十分が原因。

6.今後の対策と反省

(1)多賀城市は高台移転をせず、現地復興政策を採用。東北地方で唯一の選択。

(2)多賀城市の津波被害は、津波流出物(コンテナ、自動車、流木)が家屋に衝突し家屋を破壊。水没高さ2mに抑えると復興が容易なため、防潮堤および防潮林を建設。

(3)情報連絡体制の不備  :  行政連絡は現状がNTT回線と防災無線13箇所を53箇所に。衛星携帯電話10個購入。

(4)現状の東西避難道路を南北にも整備。津波の避難ビルを10ビルと7企業に指定。

(終)

  


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