感想文(被災地のがれき処理)

著者: 山家 雄三郎 講演者:  /  カテゴリ: 東北地区  /  更新日時: 2012年05月07日

 

環境研究会 東北研修旅行 参加者報告

日 時:平成2432021
場 所:宮城県

感想文

山家雄三郎 技術士(建設部門)

 

1 はじめに

今回の研修旅行は、近畿本部環境研究会の幹事の方々が入念に準備され、先方との連絡も良く執られていて、ほぼ計画通り終始したのではないでしょうか。御蔭さまで、私はついていくだけで、ほぼ満足のいく研修旅行でした。

2 被災地で感じたこと

さて、今回の未曽有の東北大震災は,地震の被害に加え、大津波と原発事故が被害を拡大した。なかなか復旧が進んでおらず、とくに政治のリーダーシップを期待したい。
現地(石巻市など)は、未だにがれきの処理が全体の6%という状態で、がれきの山があちこちにあり、その高さは10m以上で復興が進んでいるようには全く見えなかった。阪神大震災での復興のスピードとは雲泥の差である。

今後の復旧の在り方として、次のことを提案する。

1日も早く政府ががれき処理の早期受入開始を、全国の市町村にお願いすることである。

再利用可能なコンクリート塊、アスファルト塊、土砂砕石など原材料を、沈下した海岸や高台の嵩上げに使用する。この際、土止め用の鋼矢板護岸工事も必要である。

木片は製紙工場でチップにする。

都市計画を先行して街路を広くし、碁盤の目にして避難時に素早く移動できる道路計画を立てる。

将来も必ず地震や津波は来るものと思い、高台移転先を確保する都市計画が必要だ。職住接近は望ましいが、できれば住居だけは高台が望ましい。

⑥道路・鉄道の復旧が急がれる。

⑦各地へのがれき輸送はコンテナ船でピストン輸送するべきであるから、積込み用の港湾設備を整備する必要がある。

⑧被災地の多くは漁業が盛んなリアス式海岸であるから、近隣の漁港の集約化を図り、設備費を節約するなど、地元にも協力と覚悟を求めることが必要と思われる。

とにかく、早く職場を確保することが被災者を元気付ける上でも大切なことだ。

3 おわりに

今回の研修旅行は疲れた。余りの殺風景な悲惨な光景をじかに連続して目の当たりにしたからであろう。しかし、来てよかった。これからはボランティアの仕事よりも専門家と重機と重車両などが必要になるであろう。機会があればまた何かのお手伝いをしたいと思う。

以上


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