野殿の森(見学会)

著者: 奥村 勝  /  講演者: 綾木 光弘 /  講演日: 2022年11月11日 /  カテゴリ: 環境研究会 > 見学・研修会 > 見学会  /  更新日時: 2023年04月08日

 

近畿本部 環境研究会

見学会:野殿の森(202211月度)

日 時: 20221111()12:00 12()11:00
場 所: 京都府相楽郡南山城村 野殿の森

はじめに

京都府南山城村にある「野殿の森」を見学した。今回のイベントは、NPO法人環境カウンセラーズ京都(以下、環境カウンセラーズ京都と表記)のご協力により野外行事として環境研究会が企画し参加募集したものである。

   地図

「野殿の森」は、4年前から環境カウンセラーズ京都が森林所有者から5haを借用し、山林を整備している。放置してあったスギ、ヒノキを間伐し、遊歩道1.4kmを整備して、「憩いの場所」、「子供の遊戯場」や「キャンプ場」を設置しており、すでに出来上がっている。京都府も、この森林放棄地整備事業に協力支援しており、京都の小学校児童向けに各種イベントを行っている。

見学会

1111()11時、JR関西本線の大河原駅に参加者16名が集合した。地元のタクシーに分乗して険しい車道を登り30分程度で「野殿の森」に着く。「野殿の森」では「子供のステージ」に隣接している「憩いの場所」で昼食をとりながら、環境カウンセラーズ京都の金田理事長より「野殿の森」プロジェクトのいきさつと現状についての説明の後、参加者の自己紹介、ならびに環境問題に関する意見交換を行った。

    憩いの場風景

昼食後、新に切り開かれた遊歩道を、コケ玉の素材となるヒノキ、スギ、笹の苗木を収集しながら見学・散策し、「憩いの場所」付近を源流とする渓流に入り、コケの自生状況を見学し、コケの再生が可能なように配慮しながら採取した。

「憩いの場所」に戻り綾木会員の指導の下、収集した苗木とコケを用いて参加者全員コケ玉つくりを楽しみながら交流を深めた。その後、今回のイベントに支援協力して頂いた環境カウンセラーズ京都への御礼に、重さ30kgの常設トイレの移動運搬を手伝った。

   こけ玉の作品

見学会終了後、日帰り組8名は大河原駅へ、宿泊組8名は宿泊先のある童仙房地区に移動した。

野殿の森に隣接する童仙房地区は、京都府と滋賀県、三重県の県境に位置する南山城村の北部で標高400500mにある高原の集落である。明治時代に開拓された地区で宇治茶畑が多い山村である。今回宿泊した童仙房山荘は、農家を改築し、きれいに整った素朴な宿でゆったりくつろくことができた。夕食では山菜理に酒を飲みかわし参加者の自慢の話を聞きながら親睦を深めた。

1112日早朝、朝食前に宿周辺の郷社大神宮料、開拓碑、総神寺を散策、朝もやに包まれた茶畑や野鳥の鳴き声を聞き、すがすがしい気持ちになった。9時に宿を出発し、野殿地区にある六所神社(本殿及び覆屋が茅葺で、京都府登録有形文化財に登録されている)に参拝した。

野殿の山村には、鹿やイノシシの罠が設置されていた。散策中に、農家のわきでは罠でとらえられた鹿の血抜き中の桶があり、めったに見られないものを見ることができた。午前中で見学を終え、11時過ぎに大河原駅から帰路に着いた。

おわりに

今回の行事は高齢者にはハードな坂道、ぬかるみ道もあったが、参加者のけがもなく無事に終えることができた。近年COVID-19対策などにより講演会しか実施できていなかったが、今回環境研究会として久しぶりの見学会を開催できた。環境カウンセラーズ京都の理事で、環境研究会副会長の綾木氏のご尽力に感謝します。

文責:奥村 勝  監修:綾木 光弘