名古屋地区見学会 (万博、空港、港、干潟、道路)
著者: 山本 泰三 講演者: / 講演日: 2005年07月10日 / カテゴリ: 名古屋地区・愛知万博 / 更新日時: 2011年03月07日
環境研究会【見学・研修旅行報告】 050710
日時:2005年7月10日(日)~11日(月)
場所 名古屋地区の見学・研修旅行
調査先 中部地区:万博、中部国際空港、名古屋港、藤前干潟、高速道路工事現場視察など
移 動 大型観光バスを利用
主 催 (社)日本技術士会近畿支部及び(社)大阪技術振興協会の環境研究会
共 催 (社)大阪府技術協会エネルギー・環境・安全技術部会
第1日
バスで名古屋周辺の道路の整備状況を視察
⇒ 愛知万博見学
第2日
中部国際空港(バスで空港内を見学)
⇒風力発電施設見学(ここから名古屋港管理組合の方が同乗し案内と説明)
⇒藤前干潟見学
⇒名古屋港見学(船で港湾の見学、説明と質疑)
⇒JH東名阪道鳴海南工事現場視察
見学・研修の概要
見学についての報告は2005年8月15日開催の報告会を参照願いたい。
ここでは、見学・研修コースの概要と、関連資料・写真を主体としてまとめる。
1)愛知万博会場、
NEDOパビリオン:未来のエネルギー探求ツアーを貸切予約で見学
その後自由見学
2)中部国際空港
平成17年2月開港・機能性の高い空港機能、建設に当たってのコスト削減などについて見学と質疑
空港本体見学後、ビルの環境施設などを見学
3)名古屋港
躍進する中部圏の物流の要であり、高速道路網と直結した港湾機能について、バス及び船に乗って、その経緯、環境対策、中部経済圏での位置づけ、今後の展開などをご紹介いただいた。
4)藤前干潟
名古屋市がごみ焼却場の建設を計画していたが、自然保護の観点から断念(これを契機に名古屋市はごみの減量化に取り組み30%削減に成功)した干潟の保存状況の見学を行った。
5)高速道路
1.全体の見学ルート
大阪出発時点から帰着まで、バスで以下の高速道路の見学を順次行いながら各見学地点をまわった。
阪神高速道路 湊町入口 ~ 名神高速道路 豊中IC ~ 小牧JCT~ 名古屋高速 11号小牧線 ~ 1号楠線~ 環状線 1周 ~2号東山線高針JCT ~名古屋環状2号線 上社JCT~ 東名高速道路 名古屋IC ~ 日進JCT ~ 名古屋瀬戸道路 ~ 愛知万博会場 ~ 猿投グリーンロード ~ 東海環状自動車 道豊田藤岡IC ~ 第二東名高速道路 豊田東JCT~ 名古屋南JCT~ 知多半島道路 大府西IC ~ 南知多IC ~ 宿泊地
宿泊地 ~ 知多半島道路 南知多IC ~ 半田常滑IC ~ 中部国際空港連絡道路 ~ 中部国際空港~R155号 ~ 名古屋港(伊勢湾自動車道名港3大橋を船上から見学)~ 藤前干潟 ~ R23(名四国道)~ 大高 ~ 第二東名高速道路 名古屋南JCT ~名古屋環状2号線 有松IC付近工事現場視察 ~ R1号 ~ 第二東名高速道路 大府西IC 伊勢湾自動車道 名港3大橋通過~四日市JCT ~ 東名阪自動車道 亀山IC ~ 名阪国道 ~ 西名阪自動車道 天理IC ~ 松原JCT~ 阪神高速道路 ~ 難波
2.環状道路の特性
・分散導入機能
・バイパス機能
・非常時の迂回機能
3.名古屋環状2号線 有松IC付近工事現場視察
全体構成
名古屋環状2号線東部・東南部区間
路線名 ;近畿自動車道 名古屋関線
事業延長;約15km
道路規格;第2種第1級
車線数 ;4車線
設計速度;60km/hr
オープン掘削による堀割構造体の築造
仮設方式
・ 柱列式土留め壁(SMC杭、H鋼0.8~1.0m 間隔)+3~6段アースアンカーによる土留め。土砂と砂礫の互層の地層で地下水位は高くない
4.見学・研修旅行のまとめ
A)名古屋地域での計画も含めた高速道路ネットワークの充実ぶりがよくわかった。
中部国際空港、スーパー中枢港湾、愛知万博、トヨタの物流拠点などの要素をうまく高速道路のネットワーク化のスピ-ドアップにうまく活かしたといえる。
ただ、名四国道で垣間見えたように、市内での交通混雑状況は他の大都市とあまり変わらないのではという印象も若干あった。
B)環境面からの捉え方としては、道路整備事業自体に次のプラス面とマイナス面がある
+1) 渋滞解消による大気汚染物質(nox、sox、co2、SPM など)の削減、
+2) 振動・騒音の低減
-1) 自然緑地の減少、人工斜面の増加
-2) 地下水流の分断
特に名古屋地域がそれらを意識して事業を行っているという印象は受けなかった。
(道路の地下化・スリットボックスカルバート化や高い透明防音壁などはすでに一般化している。)
C)工事現場でもう少し十分な時間があれば、やや市街化した地域における道路現場としての環境側面への取り組みなどを聞いてみたかった。
D)名古屋地域の人々はあまり公共事業に注文をつけて反対することがないという名古屋港管理組合の方の話が印象に残っており、それが今の充実ぶりの大きな一因であり、総論賛成・各論反対の地域との格差は、開く一方であるということを認識した研修旅行であった。
記 山本泰三