生産設備の省エアー 1.エアーブロー・漏れの量

著者: 服部 修治  /  講演者: カテゴリ: 省エネ技術  /  更新日時: 2008年11月04日

生産設備には、エアー(圧縮空気)がいたるところで使われています。
水切り・ゴミを吹き飛ばすエアーガン・ワークの不良品選別などのエアーブロー、エアーシリンダー・コンバムなどのエアー機器、エアー搬送など上げればいくらでも出てきます。これらエアーのエネルギーを直接利用する以外にも、エアー利用をサポートする減圧弁・継ぎ手・パイプ・バルブなどの漏れもあります。
では、これらエアーブローの量やもれの量について考えてみましょう。

穴より噴出する空気量
(計算値;m3/min)
圧力
kgf/cm
穴径
1mm

2mm

3mm

4mm

5mm
0.5 0.01 0.05 0.12 0.02 0.34
1.0 0.01 0.07 0.16 0.29 0.46
2.0 0.02 0.11 0.24 0.44 0.68
3.0 0.03 0.14 0.32 0.58 0.91
4.0 0.04 0.18 0.41 0.73 1.14
5.0 0.05 0.21 0.49 0.87 1.36
6.0 0.06 0.25 0.57 1.02 1.59
聴覚による漏れ空気量
(出所:省エネセンター近畿支部講座)
(計算値;m3/min)
調べ方 感じ 漏れ量(l/min)
耳元で 極めてかすか 0.2~0.3
30~50cm 極めてかすか >1
かすか 1~2
スー 2~3
強いスー 3~5
軽いシュー 5~10
強いシュー 20<
精密減圧弁のブリード音
>10
エアーガンのブロー音
100<

 これからわかるように、 0.4MPa ( 4.0kgf/cm2) 、直径 3mm のエアーブローが十数個所あるだけで、 35 ~ 45 KW級空気圧縮機(5m3/min)のフル運転約 300 万円/年 ) が必要になります。
 シューという音の漏れている (10 L/min) 所が100ヶ所あったとして
    10L/min ×100ヶ所×60min×17H/日×20日×12ヶ月=244 , 800m3/年
約 73 万円/年(3円/m3 )浪費していることになります。
 工場内設備にエアーブローが連続的に使用されていること、また、いたるところで多数の漏れ個所が散在することは、設備の稼働中は常時確実に積算され、 膨大な損失を招いていることになります。
 必要のない連続ブロー、必要以上の風量・空気圧を持つブロー、漏れが発生し易い稼動部のワンタッチジョイント使用、バルブ以降が長い構造など、安易な 設計になっていませんか。もう一度、エアー機器の使用について見直しましょう。

エアーの無駄は一般的には30%以上あるといわれています。
生産設備稼働中でも漏れを調べることが可能な計測器もあります(*)。
エアー削減活動プロジェクトは大きな成果が期待できます。

*例えば、TLV「SonicMan(SN1) 」、山武「リークディテクターⅡ」など


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