グローバル化とネットワーク社会の現状と将来展望

著者: 山本 泰三 講演者: 森山 真光  /  講演日: 2007年08月24日 /  カテゴリ: 講演会  /  更新日時: 2012年08月17日

 

★環境研究会【第36回特別講演会報告】★  070824

日 時:平成19824日() 

 

テーマ:グローバル化とネットワーク社会の現状と将来展望

講 師:森山 真光氏 近畿大学理工学部情報学科准教授兼 チャイナ保証ネットワーク株式会社代表取締役。博士(工学)

プロフィール:広島大学卒業後、和歌山大学、大阪国際大学等を経て現職。また、ベンチャー企業代表として国際電子商取引での実用化、実証化に取組む若手実業家である。

 

1.Web2.0とは

グローバル化の進展と並行して、ICT(情報通信技術)化の進展がめざましく、ビジネス環境も大きく変化している。基本的な流れを知っておかないと、ビジネスにも取り残される。

情報の世界ではWeb1.0からWeb2.0へと大きく変化している。ティムオライリー(米国の出版社CEO)によると、その概念はユーザーが「受信と発信」「検索と共有」をうまく使うWebでのサービスである。例えば、セカンドライフという新しい3次元でのバーチャルな探訪が可能になり、ブログはWeb上の日記であり、SNSは特定の人に見せたい、教えたいというコミュニティを構成する。ミクシーがその代表的例であり、登録者数が500万人を超えるなど、予備軍が利用し始め、ほとんどの学生がこれに入って、メールで情報交換を行っている。

情報がオープンに自由に使える社会が到来しており、トラックバック、フォクソノミー(タグ)、Ajaxなど一般社会人が知らない多くのキーワードが日常的になり、インターネット上のネットワークがどんどんつながっている。

例えば「グーグル」の検索エンジンがネット上の隅々まで流れ、Web2.0の旗手として、ブラウザ上でサービスを提供し、利用を増やしユーザーには課金せずにインターネット広告で急成長している。そして利用が進むほど、情報を分類整理して集合知が百科事典にもつながっていく。

2.ネットワークビジネスの現状

ロングテイル(長い尾)は経済用語であり、8:2の法則のもと、コンビニや本屋さんに見るごとく売れ筋の20%の商品が販売の80%を占める効果があり、ヒット商品はニッチ市場へ移行する。一方アマゾンのようにネット上での販売であれば、年間100冊しか売れない本でも、検索して販売するビジネスが可能になる。

膨大なデータを収集し、集客力のある楽天のようなネット販売があるように、「良質なサービスを提供→集客アップ→顧客への広告・物販で集金」している。
Youtubeという動画共有サイトをグーグルが買収したが、メディア・広告、音楽関連サービスなど、広範囲にWeb2.0のビジネスが育ってきている。

3.ネットビジネスの将来展望

中国との貿易に関連してのビジネスは貿易書類の流れが複雑で、信用状は紙ベースであり、保険や、通関手続きなど色々な制約があるなかで、部分的に電子化が進みつつある。

例えば建材は標準化ができれば1/10の価格で入手できるので有効である。FRPの輸出入手続きを手がけており、取引量は順調に増加している。原材料の値上げの波を受けたが、日本より割安でさらに取引増に繋がった。Web2.0については進め方が見えてきた。ハードの仕組みを改善し、若者が参加できるようなリテラシー教育を志すとか、より専門性を高めたビジネス別、専門別の取組みなどこれから有望な分野として関わっていきたい。

    コメント

Web2.0の言葉も知らなかったが、早速Youtubeで高校野球の決勝戦の逆転満塁本塁打のシーンを見た。SNSがなぜ普及するかという記事にも触れることができた。熱のこもった分かりやすいご講演で、受講者にインパクトを与え盛会であった。

 (山本 泰三 記)


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