水の不思議な力とその活用 水の不思議な力とその活用(1)

著者: 藤橋 雅尚  /  講演者: カテゴリ: 一般技術  /  更新日時: 2008年11月04日

技術士(化学・総合技術監理) 藤橋 雅尚

はじめに

 地球に生命が存在するのは、水が液体で存在したおかげといわれている。水は太陽系が約46億年前にできた際に、周辺にあった物質の中に含まれており水星・金星・地球・火星など太陽系の星々はいずれも原料として取り込んだと考えられている。地球近辺の水星・金星・火星は、ほとんどの水を失ってしまったが、地球は失わずに循環使用して来た。本稿では水が地球になしてきた不思議な力の概要と、その力を活用する技術を紹介する。

水のしてきた事

 太陽をはじめとして惑星や衛星は、周辺にあったたくさんの物質がお互いにぶつかりあって、だんだん大きくなったと考えられている。生まれたての地球は衝突の衝撃による熱でドロドロの液体と気体の状態であったため、鉄など重いものは中心部に沈み、岩石など軽いものは表面に浮き上がり、もっと軽い二酸化炭素や水や窒素などの気体は、大気として地球の表面を覆うことになった。

 長い時間が経って衝突が少なくなり温度が下がった結果、水蒸気が雲になりさらに雨となって地表に降り注いで海ができ、その海の中に約40億年前初めての生命が生まれたと考えられている。

 水はこのように生命の母体となる海を作り、地球を現在の環境に調整した働き以外に、資源(鉱石など)を作って鉱山など特定の箇所に集めたり、生物の死骸を石炭・石油・天然ガスなどに変化させる働きをしてきた。ここでは、鉱山などを作る原動力となった水の持つ力とその活用について概略を述べる。


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