コンサル業務と収入と 集合知の活用と新しい情報ツール作り

  1. 1.技術士業務と収入
  2. 2.ホームページの制作と活用
  3. 集合知の活用と新しい情報ツール作り

著者: 山本 泰三  /  講演者: カテゴリ: その他  /  更新日時: 2008年11月04日

⑤集合知の活用と新しい情報ツール作り(その2)

1)EA21の審査人とは

 EA21審査人は環境問題及びマネジメントシステムについて、知識と経験を持ち、企業に対して審査と同時にコンサルティングすることが要求されます。2004年からできた登録・認証制度で審査人(審査員ではない)を募集し、3年間に全国で676人が登録されました。2007年度末には合計750名程度に増加する見込みです。

 また、地域ごとに地域事務局が設置され現在では、全国に46の地域事務局ができました。これで、

EA21の普及基盤は整ってきましたし、認証取得の実績も2000件(2007年末現在)を超えました。

2)EA21審査人HG会の活動

 審査人の研鑽とネットワーク作りを通じてEA21を普及させるための活動を2005年8月から行ってきました。毎月の例会、幹事会を通じて、力をつけてきました。会員は多様な経験の持ち主、人材が揃っており、多くの企業のニーズに応えることができるポテンシャルを持っています。HG会はスタートが兵庫県でしたが、審査人として全国規模で活動しており、ハイグレードの意味を持ったHG会としました。ホームページもありますが、中途半端な状態で、まだアクセス件数も増えていません。

3)集合知を生かす情報提供と交流

 多様な経験を持つ審査人が自分のプロフィールを含め、個人事業主の集合体として、周りにアピールできる情報を提供しようとするものです。ホームページの作成は、この原稿が掲載される時期には目に見える形になっていますので、ここから多くの発見、発展を期待しています。

4)再びコンサル業務と収入について

 ISO14001は事業者にとって構築、維持の負担が大きすぎるところがかなりあるように見受けます。

 環境省におけるEA21の取組みは、1996年に最初の仕組みができたので早かったのですが、結局現在の認証・登録制度に至るまでに多くの時間がかかりました。

 環境マネジメントシステムの認証登録制度としては、COP3を契機に京都で生まれ育ったKES(各地のグループ合計12団体)があります。認証登録数もステップ1(簡便なもの)、ステップ2(EA21と類似)をあわせ1700件近くと、EA21に匹敵するほどの実績があります。しかし、大きな弱点は、審査員にとって魅力が低い、即ち収入はボランティア程度のもので成り立っているのです。

 EA21の審査人は現地審査1日と前後の文書作成で標準2人日×5万円/人日と、コンサルタントとして企業OB(高齢者)として経験を生かした仕事を通じて、やりがいのある収入が保証されます。また、案件毎に同一の審査人が中間審査、更新審査を含め4回まで審査を行えるので、ビジネスモデルとして十分に魅力的なシステムです。

●EA21普及に向けての支援

 EA21の認知度が低いとか、認証取得したら取引上の特典があるのか、取組んでどんなメリットがあるのかなどの意見が出てきますし、取組み企業の発掘、取組みには相当な努力が必要です。

しかし、チェックリスト、手順書、記録様式などが整備され、集合研修で構築支援をする制度や、自治体等の支援活動が充実したところでは普及が進んでいます。審査人が10件/人年×750人×0.7(稼働率)≒5000件/年の支援体制が確立しています。審査人HG会としても集合知の活用により力を発揮し、やりがいのある仕事と、適切な収入と社会への貢献が期待できるのです。


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