地球環境産業技術研究機構(RITE)の概要

著者: 藤橋 雅尚  /  講演者: 川口 圭史 /  講演日: 2019年10月9日 /  カテゴリ: 化学部会 > 見学会  /  更新日時: 2020年01月11日

  

化学部会 見学・講演会(201910月度)報告

  2019109 日(水) 13:3016:00
  公益財団法人 地球環境産業技術研究機構(RITE) 京都本部

講演1 RITEの概要

講演者 : 川口 圭史 博士(工学) 企画調査グループ サブリーダー

1.地球再生計画とRITEの役割

本機構(Research Institute of Innovative Technology for the Earth)は、1990年のヒューストンサミットでの日本の提唱「産業革命以降の200年間に様々な負荷をかけて変化させた地球環境を、今後100年間かけて再生させよう」を受け、地球再生計画を具体化するための中枢機関として、同年設立された財団である。本部はここ(京都府木津川市)であり、東京事務所がある。

研究の方向性は、「革新的な環境技術の開発」「二酸化炭素吸収源の拡大」であり、具体的には5つのグループ(①システム研究、②バイオ研究、③化学研究、④CO2貯留研究、⑤無機膜研究)に分かれて研究し、情報の発信にも努めている。

① システム研究では、温暖化対策シナリオを策定しIPCCのシナリオ分析にも貢献している。参考として図1にCO2デカップリングの例を示す。

 図1 デカップリングに関する分析例

②バイオ研究では、非可食バイオマスを原料とし、高生産性細菌(発酵阻害物質耐性を強化した細菌)を利用してバイオ燃料やグリーン化学品生産を研究している。

③化学研究では、各種排出源からのCO2だけを分離回収(化学吸収、膜分離、固体吸収)する技術を研究している。

CO2貯留研究では、分離回収したCO2を貯留する技術(地層、圧入と管理)を研究している。

⑤無機膜研究は、次の講演で詳述する。

質疑

も講演終了後、活発な意見交換が行われたが詳細は省略する。

文責 藤橋雅尚  監修 川口 圭史