6)関西のインフラは脆弱
著者: 環境研究会 講演者: 環境研究会 / 講演日: 2010年10月22日 / カテゴリ: 連載記事(フジサンケイビジネスアイ) / 更新日時: 2012年10月12日
フジサンケイビジネスアイ 連載記事
関西を元気に!
掲載日 2010.10.22
技術士の提言-6
関西のインフラは脆弱
関西は早くから鉄道網が開け、先進国の代表的なメガリージョンとして発展してきた。また、大気汚染などの公害問題を克服してきた実績がある。しかし、高密度に発展してきたから、できあがったインフラについては、都市の発展に伴い脆弱な点を是正しなければならない。
鉄道、高速道路、港湾、空港などのインフラについては、1500万人が活動する淀川流域を中 心とする6000km2の広域的な都市圏を一体的に考慮して補強、再整備する必要がある。
まず、高速道路網の整備に関して問題を分析し、改善すべき方向について単なる評論、問題指摘にとどまらず一歩踏み込んだ具体的な提言をしたい。
情報の発信と共有化が重要
今年7月、大阪商工会議所副会頭の1人が、事業活動のなかで物流のネックを解消するた
関西では2009年3月、道路インフラ整備促進のため、「京阪神高速道路整備促進協議会」が自治体、経済界首脳によって発足した。しかし、その後の具体的な活動はよく分からない。
「問題がある」と発言し、国に要望しても、具体的な調査、分析、費用効果などを算出しない限り、昨今の厳しい経済情勢では取り上げられない。
説得力のある提案のために
技術士会の環境研究会は、以下の6点で高速道路網整備を検討している。
①関西の高速道路網の問題点=全体的なネットワークが機能不全に陥っている。
②高速道路の効果とその事例=インフラとして物流を中心に時間、費用の大幅な節減が図れる
③中部地区(名古屋)の整備推進と中国の猛烈な躍進=2005年の愛知万博を機に、中部地区では整備が格段に進展した。また、中国は高度成長の中で全国の高速道路網を網の目のように整備推進している。
④関西の高速憎韻確備計画の問題点=整備効果が不明確で、優先順位が不明
⑤戦略的な取り組みの提案=最近の事例と現在までの計画の洗い直しと、再構築が必須
⑥問題意識の共有による関西地区各主体の連携、対策推進=重要な情報を分析し、具体的な形で示すことができれば、「案ずるより産むが易し」になるはずである。
地政学的に、関西は国の中央部、東西の結節部分にある。関西の高速道路の整備が遅れることで、地域だけでなく、国全体の大動脈が機能不全に陥るマイナス効果は非常に大きい。東京から見て一地方であっても、西日本から見ると関西は、各地域の発展の重要部分を担っている。
これらの問題意識をもとに、技術土会では8月2日、公開パネルディスカッションによる意見交換を行った。ここで浮き彫りになった問題点とその解決のために検討を加え、次回以降、具体的に報告・提言したい。
編集協力/日本技術士会近畿支部環境研究会
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